完全ガイド

猫の輸血完全ガイド
費用・血液型・手順・副作用・ドナー探しまで徹底解説

公開日:2025年4月18日

猫の輸血は犬以上に難しく、血液型の不適合で命に関わる重篤な反応が起きることがあります。「愛猫に輸血が必要です」と言われた時に慌てないよう、本記事で猫の輸血に関する全知識を解説します。費用・血液型・リスク・ドナー探しまで、飼い主が知るべきすべてをまとめました。

猫の輸血とは?犬との違い

猫への輸血は犬と基本的な仕組みは同じですが、血液型の不適合リスクが格段に高いという大きな違いがあります。犬は初回輸血であれば血液型が異なっても反応が出にくいのに対し、猫は初回輸血でも血液型不適合によって致死的な溶血反応が起きることがあります。これは猫が生まれつき異型血液に対する抗体(異種血球凝集素)を持っているためです。

また、猫は体が小さいため採血量も限られ、供血猫の確保がより困難です。輸血対応病院も犬より少なく、緊急時の選択肢が限られることがあります。

輸血が必要な病気・状況

貧血性疾患(最多)

急性出血

輸血判断の目安はPCV 15〜20%以下で症状が伴う場合、または急速な貧血進行です。

猫の血液型と輸血適合性【最重要】

猫の血液型はA型・B型・AB型の3種類です。この適合性は輸血の安全性に直結します。

血液型日本での割合輸血の注意点
A型約90〜95%B型血液を受けると重篤な溶血反応(致死的)
B型約5〜10%A型血液でも急性溶血反応の可能性
AB型非常に稀(1%未満)どの血液型も受けられる万能受血者

警告:A型の猫にB型の血液を輸血すると、数分以内に心停止を起こす可能性があります。輸血前の血液型確認とクロスマッチは絶対に省略できません。

品種によって血液型の傾向が異なります。B型が多い品種:ブリティッシュ・ショートヘア、スコティッシュ・フォールド、アビシニアン、ソマリ、バーミーズなど。これらの品種を飼っている場合は特に血液型の事前確認が重要です。

輸血製剤の種類

製剤主な適応保存期間
新鮮全血急性出血・重度貧血採血後8時間以内が理想
濃縮赤血球(pRBC)慢性貧血・CKD4℃で最大35日
新鮮凍結血漿(FFP)凝固障害・低タンパク凍結で最大1年

猫は体が小さいため必要な血液量も少なく(体重5kgで約100〜150ml程度が上限)、小型の供血猫でも十分な量が採血できます。

輸血の手順・流れ

  1. 血液型検査:必須。クイック検査で15〜20分(B型・AB型の確認が特に重要)
  2. クロスマッチ:猫は初回でも必須
  3. 供血猫の確保:院内供血猫またはマッチングサービスで調達
  4. 採血・製剤準備:供血猫から頸静脈または大腿静脈で採血
  5. 前投薬:抗ヒスタミン薬で副作用リスクを低減
  6. 輸血開始:最初の30分は極めてゆっくり投与し反応を監視
  7. モニタリング:体温・心拍・呼吸を継続観察
  8. 輸血後評価:PCV再測定・改善確認

費用の目安

項目費用の目安
血液型検査3,000〜8,000円
クロスマッチ検査5,000〜15,000円
輸血処置料10,000〜25,000円
血液製剤費15,000〜60,000円
入院費(1泊)8,000〜25,000円
合計(目安)30,000〜120,000円以上

副作用と緊急対応

猫の輸血副作用は犬より重篤化しやすい傾向があります。特に血液型不適合による急性溶血反応は致死的です。

副作用症状対処
急性溶血反応(最重篤)嘔吐・痙攣・血圧低下・血色素尿即輸血中止・輸液・ステロイド・緊急処置
発熱性反応体温上昇・震え輸血速度を落とす・解熱剤
アレルギー反応顔面浮腫・掻痒感抗ヒスタミン薬
循環過負荷呼吸困難・開口呼吸輸血中止・利尿薬・酸素吸入

供血猫の探し方

猫の供血猫は犬以上に確保が難しく、血液型B型やAB型の場合はさらに困難です。

供血猫の条件:体重3kg以上・1〜8歳・健康診断済み・FeLV/FIV陰性・ワクチン接種済みが一般的です。

輸血後のケア

よくある質問

Q. 猫の輸血は何回でもできますか?

A. 技術的には可能ですが、回数を重ねるほど抗体が形成され不適合反応リスクが高まります。毎回クロスマッチが必須です。

Q. CKDの猫でも輸血できますか?

A. できますが、腎臓への負担に注意が必要です。輸血速度を落とし、腎機能をモニタリングしながら慎重に行います。

Q. 供血猫に負担はありますか?

A. 健康な猫であれば採血による影響は軽微です。採血後は安静にさせ、水分と栄養を十分に与えれば通常1〜2日で回復します。

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